【10月7日 AFP】米ナショナル・フットボール・リーグ(NFL)、今季開幕4連敗中のロサンゼルス・チャージャーズ(Los Angeles Chargers)が、韓国出身の新人キッカー、ク・ヨンホ(Younghoe Koo)を解雇した一方でベテランのニック・ノバック(Nick Novak)を呼び戻し、同じく今季勝ち星のないニューヨーク・ジャイアンツ(New York Giants)との8日の試合に臨むことになった。

 NFL史上4人目の韓国人選手となった23歳のクは、ドラフト外のフリーエージェント(FA)として今年8月に行われたプレシーズンのワークアウトに合格し、ジョシュ・ランボ(Josh Lambo)の代わりにチームに加入した。

 昨年はジョージア・サザン大学(Georgia Southern University)で20本中19本のフィールドゴール(FG)を決めたクだったが、今季のチャージャーズでは6本中3本しか決まっていない上に、勝敗を左右する場面で2度もキックを外している。

 チャージャーズはシーズン開幕戦で、クが試合終盤に44ヤードのFGをブロックされて21-24でデンバー・ブロンコス(Denver Broncos)に敗戦。さらに翌週にも、試合時間残り9秒の場面で、同選手が再び44ヤードのFGを外してしまい、マイアミ・ドルフィンズ(Miami Dolphins)に17-19で敗れた。

 クは前週の試合ではキックを2本とも決めたもののもはや焼け石に水で、開幕4連敗を喫したアンソニー・リン(Anthony Lynn)ヘッドコーチ(HC)にとっては時すでに遅しとなっていた。リンHCは「この数週間、試合前の練習でも彼を見てきた。私にとってはもう十分だ」とすると、「もう少し安定感があり、経験豊富な選手を連れてくるタイミングだ」と述べた。

 その選択肢となったノバックは、ヒューストン・テキサンズ(Houston Texans)に在籍していた2016年シーズンに45本中35本のFGに成功。2011年から14年まではチャージャーズのキッカーを務め、2013年シーズンには37本中34本のFGを決めて91.9パーセントの成功率を記録するなど、合計117本中101本のキックに成功している。

「ニックはチームにとって最高の選択肢だ。彼は長い間、精度の高いキッカーとして活躍している」と話すリンHCは、「今季は毎試合接戦となっており、すべてのプレーとポイントが重要になってくる」と語った。

 テキサンズとチャージャーズのほかに、ワシントン・レッドスキンズ(Washington Redskins)、アリゾナ・カーディナルス(Arizona Cardinals)、カンザスシティ・チーフス(Kansas City Chiefs)を渡り歩いているノバックは、合計111試合に出場して209本中173本のFGを成功させている。

 リンHCはノバックともに、クはチームでもプレーできる実力があると称賛しており、「クはNFLで長く活躍できると思う。こういうことは新人選手にはよく起きることだと彼に話したよ。多くのルーキーがキャリア序盤に解雇されても、そこから復活して何年もプレーしている。彼も戻ってくるだろう。きっとね」と話した。

 ノバックも前週の試合で観客席からクを見守り、そのスキルに感銘を覚えたとして、「クはとても才能あるキッカーだ。丈夫な脚とたくさんの才能に恵まれている。妻と一緒に先週の試合に足を運んで彼の練習を見たよ。試合中もずっと彼を見守っていた。脚力などすべてが素晴らしかった」と語っている。

 NFLのウェブサイトでは6日、タンパベイ・バッカニアーズ(Tampa Bay Buccaneers)が、新しいキッカーを探すためのトライアウトを行うと発表されており、クは早くもチャンスをつかむ可能性がある。

 バッカニアーズは同日のニューイングランド・ペイトリオッツ(New England Patriots)戦で、キッカーのニック・フォーク(Nick Folk)が31ヤード、49ヤード、56ヤードの3本のFGに失敗して14-19で敗れた。

 フォークは、「最悪の週だった。ポイントを取り損ねてしまった。20-19で勝てたはずなのに、これは自分のせいだ」とコメントした。(c)AFP