【10月5日 AFP】ブルース・ユア(Bruce Ure)さんは、米ネバダ(Nevada)州ラスベガス(Las Vegas)で1日夜に起きた銃乱射事件の現場で、重傷を負った3人を救出したものの、自分は英雄ではないと言い張り、その代わりに他の人々の行動を称賛する。

 テキサス(Texas)州シギーン(Seguin)警察の副署長であるユアさんは、カジノホテル「マンダレイ・ベイ(Mandalay Bay)」の向かいで行われていたカントリー音楽祭に参加するため、ラスベガスを訪れた。

 バックステージのVIPエリアにいた時、花火のような音が聞こえた。「あんな高い音は聞いたこともなかった。そして、地面にパンパンとはじける音がした。それでVIP席にいる自分たちが銃撃されていると分かった。地面が、人工芝が上下し始めたから」

 ユアさんらは命からがら走った。銃弾に跳ね飛ばされた破片が、半ズボンをはいていて露出した脚の後ろに当たった。

「つまり、犯人は私たちの真後ろから撃っていたということだ」。現場近くで取材に応じたユアさんは、自動小銃の1回の発砲ごとに少なくとも50発が発射されたと語った。

 警察によると、事件では元会計士のスティーブン・パドック(Stephen Paddock)容疑者(64)の銃撃により58人が死亡した。死者数はこれまで59人とされていたが、当局は後の発表で、死者のうち1人は同容疑者だったと明らかにしている。

 ユアさんは「私は黒い服を着ていたので命拾いしたのかもしれない」と語った。血の海となった現場で、ユアさんは右ももを撃ち抜かれた若い男性を見つけた。