【10月10日 CNS】中国・四川省(Sichuan)の山岳地帯、石棉県(Shimian)内の拖烏山(Tuowushan)パンダ回廊に生息する野生の雌のジャイアントパンダ「張想(Zhang Xiang)」が健康診断を目的に9月28日保護された。保護は同省栗子坪(Liziping)自然保護区と冶勒(ヤレ)自然保護区が共同で実施し、中国ジャイアントパンダ保護研究センターの獣医師が張想の健康を確認した後、翌29日深夜、再び自然に返された。

 張想は2011年8月20日生まれで、両親は野生のジャイアントパンダ。張想は人工飼育され、半野生の環境で育てられたジャイアントパンダだ。2011年8月から2013年11月まで2年間の野生化訓練を経て、2013年11月6日、栗子坪自然保護区に放たれた。当時の体重は48キログラム。2014年4月に健康診断のため初めて保護され、再び自然に返された当時の体重は51.6キログラム。今年4月の始めには、同自然保護区から500キロ以上離れた冶勒自然保護区の拖烏山パンダ回廊付近で生活しているのが確認された。

 今回の健康診断の結果、張想の四肢、歯、乳腺、生殖器などの発育は正常で、体重104.4キログラム。ジャイアントパンダの雌の成体としての生理項目の数値はすべて正常と診断され、暮らしている自然環境にもすっかりなじんでいることがわかった。

 拖烏山パンダ回廊は2013年から四川省林業庁が石棉県と共同で環境の保護、回廊の建設をしていた。張想が同回廊を通って移動していることが確認されたことから、この回廊が他地域とのジャイアントパンダの交流に役立つことが証明され、これにより絶滅のリスクが効果的に下がることが期待される。(c)CNS/JCM/AFPBB News