【10月3日 AFP】仏ペリグー(Perigueux)検察は2日、電動つき自転車を不正に使用してレースに出場した43歳のアマチュア選手を「詐欺罪」で起訴する可能性があると発表した。1日に開催されたレースに出場したこのライダーは、検察と同国自転車競技界の反ドーピング当局が行ったおとり捜査で不正が発覚していた。

 検察官によると、このライダーは「ほかの選手もあらゆる手段を使っていると訴え、自分の行動を正当化」しており、不正をはたらいたのは「競技の場で対等に戦いたかったから」だと弁明したという。

 身元は明らかにされていないこの選手は、問題の自転車を使用して8月21日から5レースに出場し、賞金として「500ユーロ(約6万6000円)を稼いだ」ことを認めている。電動装置はフランスで購入、フレームは中国から入手したとしており、どちらもインターネットを通じて総額3000ユーロ(約40万円)の費用がかかったという。

 この選手はまた、地元ラジオ局に対して、不正を行ったのは「勝つためでも賞金を稼ぐためでもなく」、座骨神経痛と椎間板ヘルニアを患っていて、「レース終盤に痛みを和らげる」ためだったと説明している。

 最近の成績が急激に改善されているとして当局からマークされていたこの選手以外にも、技術もしくは機材ドーピングといわれる隠しモーターつき自転車で競技に出ていたことが発覚したライダーは、これまでに2人いる。

 2016年1月には、ベルギーのフェムケ・ファン・デン・ドリエッシュ(Femke van den Driessche)がジュニアのUCIシクロクロス世界選手権(UCI Cyclo Cross World Championships 2016)で隠しモーターのついた自転車を使用していたことが発覚し、国際自転車競技連合(UCI)から6年間の出場停止処分が下された。

 今年7月のレースでは、通報を受けた大会主催者が53歳のイタリア人選手の不正を発見した。この選手はサーモグラフィーカメラの検査で隠しモーターの使用が発覚し、電動自転車の使用を認めていたが、成績が急上昇した理由は「腰の痛み」と「厳しいトレーニング」を乗り越えたためだと説明し、無実を訴えた。(c)AFP