【10月7日 CNS】中国・ハルビン(Harbin)をかつて走っていた、深緑色の旧型普通列車(緑皮車)がレストランとして復活した。ハルビン鉄路局資産経営管理公司は9月22日夜、「緑皮車記憶(訳:懐かしの緑皮車)」という名のレストランを、氷の街として有名なハルビンにオープンさせた。

 同市内の大通り西大直街。東風4型ディーゼル機関車が、緑皮車2両を牽引している状態で静かに「停車」している。「ホーム」を通り電車に乗り込むと、「乗客」らがビール片手に談笑している。

 ハルビン鉄路は1896年から現在まで120年間走り続けている。街中には鉄道にちなんだ建築物が多いことに気づく。1902年に建てられたハルビン鉄路局弁公楼(旧中東鉄路管理局)や1903年に建てられたハルビン鉄路博物館(旧中東鉄路倶楽部)、松花江(Songhua River)にかけられた濱洲鉄路大橋など、鉄道はこの街のシンボルでもある。

 もとは廃車だった「緑皮車」は、同局が2017年5月に改造。ハルビン市内の繁華街で、洋食や焼肉、ビールなどが楽しめるレストランとして生まれ変わった。「乗客」は160人まで収容できる。

 ハルビン鉄路局資産経営管理公司の叢巨森(Cong Jusen)副総経理は、「高速鉄道の発展によって、従来の『緑皮車』は徐々に表舞台から姿を消してきた。しかし、当時『緑皮車』に乗った人たちの思い出はきっとまだ残っている。そういう人たちの思い出や記憶を呼び起こす場所になれたら」と語った。

 また、このレストランでは芸術サロンを開くなど、文化交流の場としても活用する予定だという。(c)CNS/JCM/AFPBB News