【9月27日 AFP】フランスで、11歳の少女と性行為に及んだ男(28)が、「合意があった」として強姦罪ではなく未成年者に対する性的虐待の罪で起訴され、児童人権団体などから怒りの声が上がっている。

 少女は4月24日、パリ(Paris)北郊モンマニー(Montmagny)の公園から自宅に帰る男に同行することに同意したとされる。少女の家族は、少女が男の自宅までついて行ったのは恐怖で「身がすくんで」「自分を守ることができなかった」ためだと主張し、男を強姦罪で起訴するよう求めていた。

 2児の父でもある男の公判は来年2月に予定されている。

 フランスで法的に結婚や性行為の同意能力があるとみなされる年齢は15歳だが、15歳未満に対するレイプの罪で容疑者を起訴するには、容疑者が被害者を襲い、脅迫や拘束、被害者の意図しない体を押し付ける行為があったと証明する必要がある。

 しかし、捜査当局は今回の事件について、男と少女の間に同意がなかったと判断する証拠は不十分だと述べている。

 人権活動家らは法改正の必要性を訴えている。児童保護団体「子どもの声(La voix de l'enfant)」は26日、「未成年のレイプ被害者に(性行為の)同意があったか、なかったかを問うなど決してあってはならない」との声明を出した。

 男は少女とは性行為に及ぶ以前に2回会ったことがあり、15歳以上だと思っていたと主張している。被告側弁護人も「争点は、被告が少女の年齢を知っていたかどうかだけだ」と述べ、性行為は合意の上で行われたものだと強調。また、少女は「大胆な」子で、自分の裸の画像をインターネット経由で送っていたと指摘している。(c)AFP