【9月25日 AFP】女性に多くの厳しい制約を課している超保守的な王国サウジアラビアで23日、建国記念日を祝うイベントが開催された首都リヤド(Riyadh)の競技場に女性の入場が初めて認められ、数百人の女性たちが音楽や演劇を生で楽しんだ。

 サウジアラビアには公共の場で男女を分離する厳しい規律があり、女性はスポーツ競技場への立ち入りを事実上禁じられている。主にサッカーの試合で使用されるキング・ファハド国際スタジアム(King Fahd International Stadium)も、これまで基本的に男性専用だった。

 だが、国民が全国各地でコンサートや民族舞踊、花火で建国を祝ったこの日、キング・ファハド国際スタジアムでは女性たちも家族と共に入場が許され、独身男性とは離れた席で、音楽の演奏や国の歴史を描いた劇を観覧した。

 西部の都市タブーク(Tabuk)から訪れたという女性は、AFPの取材に「将来は女性のスタジアム入場に関する規制がなくなればいい」と語った。一方、男性の中にはスタジアムで女性たちが歓声を上げる姿に「歴史的な瞬間だ」「まるで女性たちがチケットを買い占めたみたいだ」などとソーシャルメディア(SNS)に書き込む人もいた。

 サウジアラビアは女性の権利を最も厳しく制限している国の一つで、世界で唯一、女性に自動車の運転を認めていない。また、女性は男性後見人の許可を得なければ勉強や旅行などもできない。

 ただし政府は、ムハンマド・ビン・サルマン(Mohammed bin Salman)皇太子が主導する2030年までの社会的・経済的な成長戦略「ビジョン2030(Vision 2030)」の一環で、規律の一部を緩和する姿勢を見せている。(c)AFP/Anuj Chopra and Rania Sanjar