【9月22日 AFP】米ナショナル・フットボール・リーグ(NFL)の元スター選手で、今年4月に刑務所内で自殺したアーロン・ヘルナンデス(Aaron Hernandez)元選手が、脳変性疾患がかなり進行した状態だったことが判明した。ボストン大学(Boston University)の研究者が21日に発表した。

 ニューイングランド・ペイトリオッツ(New England Patriots)の元TEとして知られ、殺人罪で終身刑となり獄中で首をつって命を絶ったヘルナンデス元選手は、慢性外傷性脳症(CTE)を患っていたことが明らかにされた。

 同大学の医学部でCTEセンターの責任者を務めるアン・マッキー(Ann McKee)博士の発表によると、多くのNFL選手が診断されステージ4が最も重いとなっているCTEで、ヘルナンデス元選手はステージ3だったとされている。

 米メディアの報道では、ヘルナンデス元選手の弁護士がNFLとペイトリオッツを相手取り、元選手の娘と当時婚約者だったシャイアナ・ジェンキンス(Shayanna Jenkins-Hernandez)さんを原告とした訴訟を連邦地裁に起こしたと伝えられた。訴訟内容には、ヘルナンデス元選手が「28歳の若さで、CTEという最も深刻な疾患が見られた」ことがボストン大学の研究で明らかになったと記載されているという。

 ペイトリオッツで3年間プレーし、2012年には5年総額4000万ドル(約43億5000万円、当時)の契約を結んでいたヘルナンデス元選手は、カレッジフットボール選手だった米フロリダ大学(University of Florida)時代に何度も警察沙汰を起こしていた。

 2013年にはマサチューセッツ(Massachusetts)州にある元選手の豪邸から約1.6キロメートル離れた場所で血まみれの遺体で発見されたセミプロの元フットボール選手、オーディン・ロイド(Odin Lloyd)さんを殺害したとして、2015年4月に終身刑が言い渡された。ジェンキンスさんの姉妹とロイドさんは恋人関係にあった。(c)AFP