【9月19日 AFP】パレスチナ自治政府のマフムード・アッバス(Mahmud Abbas)議長とガザ地区(Gaza Strip)を実効支配するイスラム原理主義組織ハマス(Hamas)の最高指導者イスマイル・ハニヤ(Ismail Haniya)氏が18日、ほぼ1年ぶりに電話会談で言葉を交わしたことが分かった。10年にわたり争いが続いていた両者の突然の和解に勢いをつけるものだ。

 パレスチナ解放機構(PLO)の公式通信社、パレスチナ通信(Wafa)によると、国連総会(UN General Assembly)に出席するため米ニューヨーク(New York)を訪問中のアッバス議長はハニヤ氏との電話で「和解の雰囲気が広がっていることへの喜びを表明した」という。

 一方、ハマスが発表した声明によるとハニヤ氏は「(ハマスは)分裂を終わらせるために着実に前に進む決意で、パレスチナ人の結束を目指す」と述べた。ハマスの報道官はAFPに対し、ハニヤ氏とアッバス議長が言葉を交わしたのは、昨年10月のカタールで会って以来だと述べた。

 ハマスは17日、アッバス議長率いるファタハ(Fatah)が求めていたガザ地区の行政組織の解体で合意し、統一政府の樹立に向けた選挙や交渉の用意があると発表していた。

 パレスチナ自治政府はヨルダン川西岸(West Bank)にある。ガザ地区は2007年からハマスが実効支配している。

 ここ数か月、アッバス議長はガザ地区への電力供給を制限し、200万人いる住民は1日3~4時間しか電気が使えない状況になっていた。またガザ地区で働く一部職員の給与を減らす一方、パレスチナ自治政府がガザ地区の住民に許可した治療目的の旅行の件数も減っていた。

 ハマスは声明で、アッバス議長に対し「ガザ地区の住民に対する懲罰的な決定や措置を即時停止するよう」求めた。

 アッバス議長は20日、ニューヨークでドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領と会談した後、国連総会で演説する予定。(c)AFP/Hossam EZZEDINE