【9月13日 AFP】女子テニスのマリア・シャラポワ(Maria Sharapova、ロシア)が、12日に出版した自伝の中でセレーナ・ウィリアムス(Serena Williams、米国)とのライバル関係について言及し、同選手に一方的な戦いを強いられるようになったきっかけとして、13年前に起きたロッカールームでの出来事を挙げた。

 シャラポワは、17歳で出場した2004年のウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon)決勝でセレーナを撃破。当時は激しいライバル関係の幕開けかと思われたが、それ以降のシャラポワはわずか1勝しかできず、通算成績ではセレーナが現在19勝2敗と圧倒している。

「アンストッパブル(Unstoppable: My Life So Far)」と題された自伝の中でシャラポワは、試合後のロッカールームでセレーナの泣き声をふと耳にしてしまったことが、その後の試合で自身が常に敗北へ追いやられる理由になったとの考えを示した。

 米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)が掲載した同書の抜粋によると、当時のセレーナの様子についてシャラポワは、「しわがれた泣き声。息を切らし、その場にいる人が震え上がるような類のものだった」と記している。

「まったく止まらなかった。なるべく早くその場を離れたが、彼女は私がそこにいたことを知っていた。人々はよく、なぜ私がセレーナにこんなにも勝てないのかと疑問に思っている。そう、彼女はここ10年間、私を完全に圧倒してきた」

「セレーナは、大方の予想を覆し、ウィンブルドンという大会で自分を倒した痩身(そうしん)の私が気に入らなかったのだと思う」

 今年4月に15か月間のドーピング違反から復帰した四大大会(グランドスラム)通算5勝のシャラポワと、今月に第1子となる娘を出産した同23勝のセレーナの対立は、これまでも世間で取りざたされてきた。

 それについてシャラポワは「もしかしたら友達でいるよりも良いのかもしれない」と書くなど、確執こそが自身らを高みへ導いたのではと思案している。

「今までのことがすべて過去のものになった時、私たちは友達になれるのかもしれないし、もしかしたら何も変わらないかもしれない。どうなるかは、その時が来るまでわからない」 (c)AFP