【9月9日 AFP】インドで性的暴行を受けて妊娠し、最高裁から人工中絶を認める判断を下されていたインドの少女(13)が男児を早産した。医師が8日、明らかにした。

 インドの法律では妊娠20週を過ぎた場合、母体に命の危険があるときにしか中絶が認められておらず、少女はその期間を大幅に過ぎた32週だった。しかし最高裁は6日、少女が「心的外傷と苦痛を受けている」ことを考慮して、中絶を認める異例の判断を下していた。

 少女を早い段階で診察していた医師は、少女の担当医師団はおなかの子どもを救う決断を下し、その判断は最高裁の命令には逸脱していないと主張していると説明。AFPに対し、「最高裁が求めた中絶とは妊娠を終わらせることであって、胎児を死なせることではない」と述べた。

 病院によれば、生まれた赤ちゃんは現在、新生児集中治療室に収容されており、養子に出される予定だという。少女を性的暴行したとされる父親の同僚はすでに逮捕されている。

 性的暴行の被害者は自分が妊娠したことをすぐには打ち明けようとしないため、活動家らは、中絶が認められる期間を24週まで延ばすよう訴えている。裁判所にもこの数か月間で、妊娠20週を過ぎても中絶を認めてほしいとの嘆願書が、性的暴行や人身売買の被害者を含め、大勢の女性たちから寄せられている。(c)AFP