ロヒンギャ問題で国際社会から不信感、スー・チー氏評価 国内では健在
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■「大量の偽情報」
それでもスー・チー氏は歩み寄る姿勢をみせない。歩み寄るどころか、スー・チー氏の国家顧問執務室は、ロヒンギャの武装集団によるものとされる残虐行為を捉えた写真をフェイスブック(Facebook)に投稿し、NGOや国際メディアの危機報道姿勢を逆に非難した。
スー・チー氏は6日、ミャンマーの治安部隊とロヒンギャの武装集団の衝突が発生して以降、初めて声明を発表。「大量の偽情報」が危機の実態をゆがめているとして非難した。しかし、この声明では、ロヒンギャのバングラデシュへの避難については言及されなかった。同氏のラカイン州訪問もまだ行われていない。衝突ではこれまでに約430人が死亡と公式には発表されている。
もちろん、ロヒンギャの人々の仕事や移動の自由などを制限する刑罰法を廃止するとの誓約もなかった。こうした厳しい制限は、ロヒンギャの武装組織「アラカン・ロヒンギャ救世軍(ARSA)」の組織拡大のための強力な宣伝ツールとして働き、そして8月25日の襲撃へとつながった。
■スー・チー氏の評価、国内では健在
ミャンマー国内でのスー・チー氏の人気は衰えをみせない。ミャンマーのソーシャルメディアには、外国メディアをこきおろし、マララさんの声明をあざ笑うミームや漫画、コメントがあふれている。
フェイスブックで2万2000回共有された「われわれは彼女を誇りとする」のコメントは、スー・チー氏の姿勢を強く支持するものだ。