【9月10日 CNS】中国・広州(Guangzhou)動物園の動物行動展示館が1日、閉館した。非営利で一般開放の教育展示館に建て替えられる予定だという。同動物行動展示館は24年間続いたサーカスショーで知られていたが、これで閉幕となった。

 動物行動展示館の敷地面積は約800平方メートルで、1993年からプロのサーカス団が請け負う形でサーカスショーを運営してきた。動物を訓練し、市民や観光客に動物の行動や技を見せていた。館内には、サル、チンパンジー、トラ、ツキノワグマ、オウムなどの動物がいる。

 動物行動展示館の閉鎖に伴い、かつて広州市民に数えきれない楽しみをもたらしてきたサルの綱渡りやチンパンジーのドラム演奏、オウムの自転車乗りなどの動物ショーは今後見ることはできない。広州市民の羅さんは、「子供の頃、父に連れられてサーカスショーを何度も見にきた。最も印象深く、最も楽しい記憶の一つとして今も心の中に残っている」と残念そうに話した。「名残り惜しいが、理解はできる」

 そんな中、賛成派の市民もいる。「動物に演技を強要するのは、もはや現代文明の流れには合わない」。かつて野生動物保護のボランティア組織で働いたことがあるという李さんは、サーカスショーの終了を賞賛する。

 教育展示館として再開したのちは、動物の日常生活場面での自然な行動を見られるようになる。今後、動物の訓練に関しては、客を楽しませるためではなく、飼育係が動物との意思疎通や病気の治療、自然行動の回復能力などを助けるための最低限の訓練に限られる。

 現在、広州動物園は国際動物保護組織からの動物福祉向上提案に応え、古くなったおりの改造に取り込んでいる。動物の自然行動の研究を行うことで、旧式の動物園からモデルチェンジして現代的な動物園を目指す。現在、トラ山、オオカミ館、鳥類、霊長類エリア、シカやクマの各エリアなどの鉄柵を取り外したことによって、動物の生活環境が改善された。ゾウ、パンダ、ライオン各館も近く改造する計画。

 新たに開放される「教育回廊」は、長さ130メートル、面積は5500平方メートル以上の大型総合科学教育センターになるという。また、中国大陸初となるVR(仮想現実)動物園の建設を開始させており、今後は最先端科学技術を使って動物の行動を展示する。(c)CNS/JCM/AFPBB News