【9月4日 AFP】サッカーイングランド代表から引退したウェイン・ルーニー(Wayne Rooney)が、仮に代表が2018年のW杯ロシア大会(2018 World Cup)出場を決めたとしても、復帰することはないと明言した。1日の試合でマルタに4-0で快勝したイングランド代表は、欧州予選で順調に歩みを進め、ロシア行きを視界に収めているが、ルーニーはそうした事実を踏まえたうえで、決断を覆すことはないと話している。

 W杯と欧州選手権(UEFA Euro)にはそれぞれ3回ずつ出場するなど、代表通算119試合出場で同国歴代最多となる53得点を記録し、代表チームの主将も務めたルーニーは、今年8月に代表引退を表明しており、3日に出演した英ラジオ局「トークスポーツ(talkSPORT)」の番組で「自分の心はもう決まっている」と述べた。

「復帰して大会に出る選手を何人か見てきたけど、良いことではない。今は現在の代表選手たちが予選突破を目指して頑張っているし、出場が決まったとき、大会でプレーするのにふさわしいのは彼らだ。だから僕の決断は済んでいる」

 イングランド代表のギャレス・サウスゲイト(Gareth Southgate)監督は、今回の予選を前にルーニーの招集を考えていたが、ルーニー自身はその中で引退の決断を下した。イングランドは過去に母国開催の1966年大会しかW杯戴冠を果たしたことがなく、ルーニーが出場した過去3回のW杯もすべて残念な結果に終わっている。

 2006年のドイツ大会は、ルーニーがレッドカードで退場になった末、ポルトガルに敗れてベスト8敗退。2010年の南アフリカ大会はドイツに敗れて16強止まりで、4年後のブラジル大会はグループリーグを突破することもできなかった。ルーニーは南アフリカ大会でチームを率いたイタリア人指揮官ファビオ・カペッロ(Fabio Capello)氏とチームスタッフの行動が、とりわけ気に入らなかったと明かしている。

「南アフリカ大会で、ファビオとコーチ陣はイタリアの試合を見て、得点が入ると跳び上がって歓声を上げていた。イングランドの監督として来てるのに、それはおかしい。そんな状態でうまくいくはずがないけれど、僕らは戦い続けなくてはならなかった」

 クラブレベルでは今季、ルーニーはエバートン(Everton)に活躍の場を移している。マンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)では、ジョゼ・モウリーニョ(Jose Mourinho)監督就任以降は主力の座を失っていたこともあり、13年の在籍でプレミアリーグ優勝5回、チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League)制覇などを果たし、クラブの歴代最多得点者になるなど数々の成功を収めたチームを離れ、古巣への復帰を決断した。

 若い頃を過ごした地元クラブに復帰した今季は、以前の活力を取り戻したように見え、本拠地グディソン・パーク(Goodison Park)で行われたストーク・シティ(Stoke City)とのリーグ開幕戦ではチームを1-0の勝利に導く決勝点を挙げると、第2節のマンチェスター・シティ(Manchester City)戦でもゴールを決めた。

 ところがその後の1日早朝、ルーニーは飲酒運転で逮捕された。チェシャー(Cheshire)州の警察はその後、ルーニーが保釈されたこと、9月18日に英北東部のストックポート簡易裁判所に出頭する予定であることを発表している。(c)AFP