【9月1日 AFP】フランスのエマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)政権は8月31日、改正労働法を公表した。9月中に施行される。硬直した労働市場の改革は5月に就任したマクロン大統領の目玉公約で、労組からの反発を抑えて企業寄りの政策を推し進めることができるか手腕が問われる。

 フランスの足元の失業率は9.5%と英国やドイツの約2倍。マクロン大統領は硬直した労働規制を大幅に見直して、特に中小企業のビジネスを促進することを目指している。

 具体的には、労働組合の影響力を弱め、不当に高い解雇手当を制限し、企業側が労働条件などについて従業員と直接交渉できるようにする。

 エドゥアール・フィリップ(Edouard Philippe)首相は記者会見で、改正労働法は「野心的でバランスの取れた公正な」ものになっていると強調。高い失業率によってフランスが長年失ってきたものを取り返すことにつながると訴えた。

 改正労働法について、穏健派のフランス民主労働連盟(CFDT)は「失望した」と表明。左派のフランス労働総同盟「労働者の力」(CGT-FO)は多くの点で同意できないと反発した。

 改正労働法は行政命令を通じて施行されるため、マクロン大統領は議会での長い審議を回避できる。9月中の施行後に議会の承認を得る必要がある。議会では大統領が率いる「共和国前進(LREM)」が過半数を優に超える勢力を持つ。(c)AFP