【8月31日 AFP】ロシアのドミトリー・ぺスコフ(Dmitry Peskov)大統領報道官は30日、同国大統領府が昨年、米大統領選の候補だったドナルド・トランプ(Donald Trump)氏の弁護士から、モスクワ(Moscow)での高層ビル「トランプタワー(Trump Tower)」建設計画をめぐる電子メールを受け取っていたことを認めた。

 ペスコフ報道官が報道陣に述べたところによると、トランプ氏の一族が経営する複合企業トランプ・オーガニゼーション(Trump Organization)のマイケル・コーエン(Michael Cohen)顧問弁護士(当時)は、ロシア大統領府が公開している報道機関向けのメールアドレスにメールを送付。モスクワの商業地区「モスクワ・シティ(Moscow City)」にトランプタワーを建設する計画への支援を求めた。しかし、この計画は実現しなかった。

 ペスコフ氏は「膨大な数のメールの中にマイケル・コーエン氏からのメールがあったことは確かだ」と述べた。

 米紙ワシントン・ポスト(Washington Post)は28日、議会に提出された資料を引用し、コーエン氏が2016年1月にペスコフ氏にメールを送ったと報道。「記録に残る中で、トランプ氏の最側近から(ウラジーミル・)プーチン(Vladimir Putin)政権幹部への最も直接的な働き掛け」だと伝えた。

 ペスコフ氏によれば、メールは同氏個人に宛てて送られたもので、「あるロシア企業と特定の人々がモスクワ・シティに高層ビルを建設しようとしているが、事業が行き詰まった」とし、事業に対する助言や支援を求める内容だった。だがペスコフ氏はメールに目は通したものの、それ以上の対応はせず、プーチン大統領にも見せなかったという。(c)AFP