【8月28日 AFP】米映画『悪魔のいけにえ(The Texas Chain Saw Massacre)』や『ポルターガイスト(Poltergeist)』などで知られるホラーの巨匠、トビー・フーパー(Tobe Hooper)監督が26日、カリフォルニア(California)州シャーマンオークス(Sherman Oaks)で死去した。74歳。米メディアが伝えた。

 米娯楽誌バラエティ(Variety)は、フーパー監督の死因は発表されていないとしている。

 テキサス(Texas)州オースティン(Austin)出身で、かつては大学教授でドキュメンタリー制作に携わっていたというフーパー氏が1974年に監督した『悪魔のいけにえ』は、「レザーフェース」と呼ばれた連続殺人鬼の実話に一部基づいたもので、ホラー映画史上最も影響力のある作品の一つに数えられている。

 バラエティ誌によると、製作費が30万ドル(現レートで約3300万円)足らずだったという同作品は、その極めて暴力的な描写で複数の国で上映が禁止されたにもかかわらず、1970年代の米インディーズ作品としては最大級の興行収入を記録したという。上映禁止になったことで話題性が高まったことも一因ながら、成功の鍵は何よりフーパー氏の洗練された監督技術にあった。

 1970年代のホラー映画として同様に映画史に残る『エクソシスト(The Exorcist)』を手掛けたウィリアム・フリードキン(William Friedkin)監督はツイッター(Twitter)に、フーパー氏は「これまでで最も恐ろしい映画を作った、親切で温かい心の持ち主。決して忘れない良き友人だ」とつづった。(c)AFP