■成果出せなかった元民主化指導者で初の民間出身首相

 ツポウ6世は2012年に即位して以来、父親である先代の国王に倣ってトンガの民主化を推進してきた。2006年に首都ヌクアロファ(Nuku'alofa)で半封建的な政治制度の改革が遅々として進まないことにいら立った人々の暴動で8人が死亡したことを機に、民主化の動きは一段と加速した。

 以後、国内で騒乱が起きる事態には至っていないが、現地紙タイムズ・オブ・トンガ(Taimi 'O Tonga)の発行人、カラフィ・モアラ(Kalafi Moala)氏は、国民の間にはポヒバ氏の政治手腕に対する不満が広がっていたと話す。

 AFPの取材に応じたモアラ氏は、「民主化運動の指導者だったポヒバ氏は、首相就任時には非常に期待されていた」と語った。「しかし、山積していたさまざまな問題をポヒバ政権が解決することはなかった。ポヒバ氏は野党の立場では非常に良かったが、首相としては非常に厄介な人物であることが分かってきた」

 モアラ氏は、ポヒバ首相によって教育制度が弱体化し、公営企業絡みの問題が生じ、政府を厳しく追及したジャーナリストは政府から迫害され、さらに最近になって、多くの政府機関の帳簿に不正があったとする会計監査報告書が発表されたと語った。モアラ氏によると、トンガ国民の多くはツポウ6世の決定を支持しているという。(c)AFP