【8月26日 AFP】フランスで、列車事故で両腕を切断された女性(30)の両腕を再びつなぎ直すというまれで複雑な手術が行われ、無事成功した。執刀した医師らが25日、明らかにした。

 女性は8月中旬、フランス・アルプス(French Alps)の麓にあるシャンベリ(Chambery)駅で、プラットホームと列車の間に転落し、両腕の肘から先を失った。

 女性の転落後間もなく現場に駆け付けた医師らは機転を利かせ、消毒した医療資材で女性の両腕を包み氷で冷やして保存し、急いで病院に運んだ。これが手術の成功に大きく寄与した。

 事故の2時間後、近隣のグルノーブル(Grenoble)の病院の10人から成る医療チームが切断された両腕の再接合手術を開始した。

 手術を担当したグルノーブル・アルプ大学病院センター(CHU Grenoble Alpes)のミケル・ブイエ(Michael Bouyer)医師は25日、報道陣に対し「筋繊維を完全に元に戻すことはできなかったので、いくつかの動作、特に両手の動作で患者に支障が出るかもしれない」、「それでも義手にするよりはずっと良いはずだ」と語った。

 両腕の再接合手術は2008年、ドイツで初めて行われ、中国やインドでも類似の手術が行われてきた。

 ブイエ医師によると、女性の「経過は良好」だが、両腕を再び動かせるようになるには傷が回復してから1年半~2年にわたる理学療法を受けなければならないという。(c)AFP/Benoit PAVAN avec Julia PAVESI