【8月7日 AFP】世界ロードレース選手権(WGP 2017)第10戦のチェコGPは6日、MotoGPクラスの決勝が行われ、レプソル・ホンダ(Repsol Honda)のマルク・マルケス(Marc Marquez、スペイン)がポールトゥウィンで優勝を飾り、2連勝で年間順位でもリードを広げた。

 チームメートのダニエル・ペドロサ(Dani Pedrosa、スペイン)が約13秒差の2位に、モビスター・ヤマハ(Movistar Yamaha)のマーベリック・ビニャーレス(Maverick Vinales、スペイン)が3位に入り、スペイン勢が表彰台を独占した。年間優勝9回のヤマハのバレンティーノ・ロッシ(Valentino Rossi、イタリア)は4位だった。

 バイク上で立ち上がって観客の拍手に応えながら、メインスタンドの前を走り過ぎたマルケスは、「もっと速く走ることはできたけど、その必要はなかった。勝ちはつかんでいたし、リスクを増やすつもりはなかった」と話した。

 この結果、年間順位ではマルケスが154ポイントまで伸ばし、140ポイントのビニャーレスとの差を広げたが、ドゥカティ(Ducati Team)のアンドレア・ドビツィオーゾ(Andrea Dovizioso、イタリア)が133ポイントで3位につけ、ロッシが132ポイントの4位、ペドロサが123ポイントの5位で追っており、僅差の争いは続いている。

 前年王者のマルケスは、序盤にウエットタイヤから履き替えたことで一時的に順位を落としたものの、落ち着いて一周ごとに順位を上げると、最後はポールトゥウィンで圧勝する堂々とした王者の走りで今季3勝目を挙げた。

 今季序盤は若手のビニャーレスにポイントで大きく水を開けられ、大差で年間優勝を逃す可能性もちらついていたマルケスだが、ドイツGP、そしてこのチェコGPと似たような形で完勝を収めたことで、全18レース中10レースを終えた段階で連覇に向けた勢いを増している。

 3日には、世界ロードレース選手権で13回の優勝を飾っているスペインの伝説的ライダー、アンヘル・ニエト(Angel Nieto)氏が、前週の交通事故の影響で70歳で逝去していたが、スペイン勢の表彰台独占は同氏に対する最高のはなむけになった。

 この日のレースの前には、前カテゴリーのチームとライダーが「ありがとうマエストロ」と書かれた看板の後ろに集結し、ニエト氏を悼んで1分間の黙とうをささげた。(c)AFP