【8月4日 AFP】国連(UN)の調査団は4日、コンゴ民主共和国の南西部に位置するカサイ(Kasai)地方で今年3月中旬から6月中旬にかけ、子ども62人を含む251人に対して行われた超法規的な殺害の詳細をまとめた報告書を発表した。

 報告書の中で調査団は、「3月12日から6月19日の間、251人が超法規的に、また標的となって殺害された犠牲者の数は251人と確認できた」とし、「犠牲者には62人の子どもが含まれ、うち30人は8歳未満だった」と明らかにした。

 調査結果は隣国アンゴラへ逃れたカサイからの難民への聞き取りによりまとめられた。難民らはコンゴ政府の工作員が子ども7人の殺害に関わったとも証言しているという。

 また被害者らの説明によると、7歳の男児の指が切り落とされるなど、複数の切断行為があった他、ある村の病院が襲撃された際に90人が死亡したという。

 国連はコンゴ政府軍や政府が支援する民兵組織の他、反政府民兵組織も多くの残虐行為に関わっていると非難している。

 ゼイド・ラアド・アル・フセイン(Zeid Ra'ad Al Hussein)国連人権高等弁務官は声明で、「生存者らは生きたまま焼かれた人びとの叫び声を聞き、愛する人たちが追われた末に体を切断されるのを目にし、自らも恐怖に襲われる中で命からがら逃げだしたと語った」と述べた。

 カサイでは、部族勢力のカムウィナ・ンサプ(Kamwina Nsapu)首長が政府部隊によって殺害されたことを受けて、昨年9月に衝突が始まった。同首長は、ジョゼフ・カビラ(Joseph Kabila)大統領に対する反対運動を主導していた。(c)AFP/Ben Simon