■公式見解と異なる発言は、刑務所へ

 昨年導入された新たなカリキュラムは、批判的思考の実践も重視している。だがキング氏は「ジェノサイド・イデオロギー法」によって恐怖が植え付けられ、公式見解にほとんど誰も反論できない国ではそれは不可能だと指摘している。

「間違ったことを口にすれば投獄されるかもしれないと人々が感じているような状況で、非常に独裁的な政府と教育を切り離すことはできない」とキング氏は言う。

 大虐殺から27年が経過し、カガメ大統領の下で経済回復と安定を実現したルワンダは称賛されている。しかし権利団体は、ルワンダでは表現の自由がなく、反体制派が口封じされていると繰り返し批判している。

 大虐殺終結をもたらした旧反政府勢力で現与党の「ルワンダ愛国戦線(RPF)」の手によるフツ人殺害は、大虐殺の前から後のものまで、言及するだけで刑務所に送られる。

 今年、大虐殺が起きた時期を迎える少し前、ツチ人が所有する複数の雌牛がなたで殺される事件が起きた。

 一方、大統領選に出馬している野党候補で複数の民族的背景を持つフランク・ハビネザ(Frank Habineza)氏は、ツイッター(Twitter)で彼を「マウンテンゴリラ」と呼んだユーザーを告発した。フツ人の身体的な特徴を指した言葉だとみられており、ハビネザ氏は不快感をあらわにしている。(c)AFP/Fran BLANDY