■多くの人にとっては無関係なファッション

 4月にエニンフルの就任が発表された後、何人かの編集スタッフは「ヴォーグ」を離れた。ほぼ白人で中流階級の女性たちが雑誌の顔となっている環境が変わるため、「お嬢様たちの出国」と報じた新聞紙もある。しかし解雇されたうちの1人であるファッションディレクターのルシンダ・チェインバーズ(Lucinda Chambers)は雑誌を何年も読んでいなかったことを認め、変化する必要があったことを受け入れた。ファッション撮影でフィーチャーされる服は「ばかばかしいほど高価で、ほとんどの人たちにとって無関係だ」と語り、「ヴォーグ」はその権威を失ったと警告した。

 業界サイトVestoj.comのインタビューでは、「ファッション界で我々はつねに人々に必要ないものを買わせようとしている」と語る。「我々はこれ以上バッグやシャツ、靴を必要としない。だから甘い言葉で釣ったり、脅したり、奨励したりして人々に物を買わせ続けている」