【8月3日 AFP】1日に英版「ヴォーグ」(VOGUE)の編集長に就任したエドワード・エニンフル(Edward Enninful)は、写真共有アプリの「スナップチャット(Snapchat)」版も配信していくと発表した。「ファッションバイブル」としての権威を失いつつあると元エディターから通告された、この雑誌に強さを取り戻すためだ。

 45歳の元スタイリストであるエニンフルは、101年の歴史を持つ「ヴォーグ」にとって初めての男性であり、初めての黒人、初めてのゲイ編集長となる。政治的な行動主義や刺激的な撮影、大物業界人との交友関係でも知られる存在だ。

 エニンフルは仲のいい友人であるモデルのナオミ・キャンベル(Naomi Campbell)や受賞歴の多い映画監督でありアーティストのスティーブ・マックイーン(Steve McQueen)、米ヴォーグのグレース・コディントン(Grace Coddington)らを含む新しいチームをすぐさま編成し、新しいスナップチャット版「ヴォーグ」もローンチした。「英版『ヴォーグ』は、創造性と革新を築いてきた素晴らしい雑誌だ」とエニンフルは語る。「読者のために今後もわくわくするような美しい雑誌をプロデュースしていくことが楽しみでならない」

 彼は編集長初日に、スナップチャットのDiscoverプラットフォームをデビューさせた。新しい読者層を獲得するため週に3回、アプリ上でコンテンツを配信していく。

 25年間、英版「ヴォーグ」を率いた前任のアレクサンドラ・シュルマン(Alexandra Shulman)とはまったく違った印象を与えるこの新編集長のもと、ほかにも変化が予想される。シュルマンは地に足のついた印象でスポットライトを避けることが多かったが、エニンフルはSNSに彼のセレブリティ・ライフスタイルを定期的に投稿する。

「ヴォーグ」の出版社である「コンデナスト・インターナショナル(Conde Nast International)」の会長兼最高経営責任者(CEO)であるジョナサン・ニューハウス(Jonathan Newhouse)は、エニンフルを「文化的な時代精神を形作る、ファッション界やハリウッド、音楽業界に大きな影響を与える存在」と描写した。