【8月2日 AFP】第16回世界陸上ロンドン大会(16th IAAF World Championships in Athletics London)の男子100メートルで連覇を果たし、輝かしいキャリアを締めくくろうとしているウサイン・ボルト(Usain Bolt、ジャマイカ)は、自身を「アンダードッグ(勝ち目が少ない)」と格付けした。

「そう思い続けているし、チームからもそう言われている。だから、再び自分自身を証明しなければならない」と30歳のボルトは語り、王座を奪うと主張する他の選手たちに警告を発した。

 今季のボルトは出足がふるわず、2度10秒台でレースを終えると、ダイヤモンドリーグ2017(IAAF Diamond League 2017)第11戦のモナコ大会(Herculis EBS)でようやく調子を整えた。

「直近のレースは9秒95だった。それが、正しい方向に進んでいることを示している。選手権は(決勝まで)2ラウンドあるから助かる。ここでは何度も走っている。さぁ時間だ。行くぞ!」

「ウサイン・ボルトは個人レースで無敗のまま引退。無敵、誰にも止められない。そんな見出しになれば最高だ。選手権にでるということは準備が整っているとういことだ」

 ロンドン五輪で3冠を達成したのと同じスタジアムで行われる100メートルは4日に予選と準決勝、5日に決勝が行われる。その中でどの選手がライバルになるかと問われたボルトは名前を挙げることはせず、「決勝で一緒に走る7人、彼らが最大の挑戦者だ」と答えた。

 2008年の北京五輪で2冠を達成してから短距離界を支配したボルトは、その後五輪で6個の金メダル、世界選手権で11のタイトルを手にした。

 また2009年の第12回世界陸上ベルリン大会(11th IAAF World Championships in Athletics Berlin)では100メートルで9秒58、200メートルでは19秒19の世界記録を樹立している。

 ボルトは、「子どもが15歳になったら、自分が最速だと自慢したい」と冗談を飛ばし、自身の世界記録が破られないことを願っている。

 一方でボルトは、長らく契約を結んでいる独スポーツ用品大手プーマ(Puma)が開催した会見で、自身のキャリアの中で最も突出したパフォーマンスに、当時の世界記録を更新した北京五輪の200メートルを選んだ。

「絶対に北京五輪の200メートルだ。世界記録を破れるなんて思っていなかったからね。200メートルの五輪王者になること、それが大きくなる中で一番の目標だった。世界記録を破ったときは、どんなリアクションをすれば良いのか分からなかった」

 また10歳のころから陸上競技に打ち込んできたものの、ボルトはモチベーションが欠けたことはないと明かした。

「毎年、やる気を起こさせるものが何かしらあるものだ。大会が好きだし、大会に向けて努力している。自分はレジェンドだ。もう自分のことを証明したからね」

「100メートルの世界記録保持者になれるとは思っていなかった、そんな考えはなかったよ」

「なんだって可能だ。そう思いながら、練習するだけだ。この数年自分がやってきたことを説明する言葉はない。ただ、自分を誇りに思う」 (c)AFP