【7月20日 AFP】ルワンダ南東部の小屋の中でニコラス・ヒティマナ(Nicholas Hitimana)は緑の液体が入ったプラスチック製の容器を振っていた。入っているのは蒸留されたばかりのゼラニウムのエッセンシャルオイル。1キロあたり200ドル(約2万円)以上で輸出されている。

 ルワンダにおけるエッセンシャルオイルのパイオニアであるヒティマナは10年以上前、面積わずか260万ヘクタールの国で「高値の作物を発展させる必要性」に気づいた。農業はGDP(国内総生産)の約3割り近くを占め、人口の約8割が従事しているため、「耕作に適する土地はわずか」にしか残っていない。「もし我々が1ヘクタールの土地で豆を栽培したら、一年で2,000ドル(約22万円)の稼ぎになる。だがゼラニウムを栽培すると、収入は6,000から8,000ドル(約67万~90万円)に達する」とヒティマナは言う。

 ヒティマナは、農業を多様化させ、輸出の価値を上昇させるというルワンダの野望を、儲けのいいエッセンシャルオイルのグローバル市場に乗り出すことによって具現化した。この目標を達成するためにヒティマナは2004年より南アフリカからゼラニウムを持ち込み始めた。当時、この花はほとんどルワンダで知られていなかったが、ヒティマナはエッセンシャルオイル部門における「大いなる可能性」を確信していた。