【7月18日 AFP】世界保健機関(WHO)は17日、世界で2016年に予防接種を受けなかった乳幼児が全体の約10%に上ったことを明らかにした。これは、致死的疾患3種に対する最初の予防措置が取られなかったことを意味する。

 WHOは、国連児童基金(ユニセフ、UNICEF)と共同で作成した報告書の中で、乳幼児1290万人が昨年予防接種を受けなかったと指摘した。ジフテリアや破傷風、百日ぜきを予防するDTPワクチンの初回接種が行われていないことになる。

 さらに、DTPワクチンの初回接種を受けたものの、昨年に所定の接種回数を完了しなかった子どもは660万人に達した。

 WHOによると、1980年に開始したDTPワクチン接種率の調査では、所定の接種回数を終えた子どもは、2010年以降は86%にとどまっており、同機関が目指す90%を下回っている。

 今回、90%の目標を達成したのは、WHOに加盟する194の国と地域中130のみで、紛争にあえぐ国々では過去最低の結果が示された。

 2016年にDTPの所定回数を完了した割合が50%未満だったのは、中央アフリカ、チャド、赤道ギニア、ナイジェリア、ソマリア、南スーダン、シリア、ウクライナの8か国だった。

 WHOは、予防接種により年間200~300万人の命が救われていると推算している。(c)AFP