【7月14日 AFP】男子テニスのロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)は今、ウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon)で前人未到となる8度目のタイトルまであと2勝に迫っているが、史上最年長優勝への行く手には巨人たちが待ち構えている。

 オールイングランド・ローンテニス・アンド・クローケー・クラブ(AELTC)で12度目の準決勝進出を決め、時間の流れに逆らうような強さを披露している35歳のフェデラーは14日、2010年大会準優勝のトマス・ベルディハ(Tomas Berdych、チェコ)と対戦する。仮にベルディハとの25度目の対戦で19勝目を挙げれば、16日の決勝ではサム・クエリー(Sam Querrey、米国)とマリン・チリッチ(Marin Cilic、クロアチア)の勝者と顔を合わせる。

 四大大会(グランドスラム)通算18勝のフェデラーだが、4強に入った残る3選手とのコントラストは、これ以上なく際立ったものとなっている。フェデラーが身長185センチ、体重85キロの体でプレーする一方、ベルディハが196センチ、91キロ、クエリーは198センチ、95キロ、チリッチも198センチ、89キロとそれぞれ恵まれた体格を誇っている。

 それゆえ、ウィンブルドンで11度目の決勝進出を目指すフェデラー本人も、「3人とも私より背が高いし、力強い」、「別のやり方を見いださなくてはならない。スライスやスピン、安定感などで何とか自分の道を切り開かなくてはいけない」とライバルたちからフィジカル面で脅威にさらされることは自覚している。

「優勝候補本命であるかは関係ない。彼らは皆ビッグヒッターだし、試合の結果に影響を与える力はあると思う」

 しかしながら、フェデラーは準決勝へ進む過程で1セットも落としておらず、ブレークされたゲーム数もわずか3に抑えている。さらに、ミロス・ラオニッチ(Milos Raonic、カナダ)との準々決勝では、今大会2番目に速いファーストサーブ(時速228.5キロ)を記録した相手のエース数を11にとどめることにも成功している。

 また、けがに苦しむアンディ・マレー(Andy Murray、英国)とノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)が12日に敗れ、ラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)も4回戦敗退と、「ビッグ4」のライバルが大会から姿を消したことで、当時39歳で準優勝に輝いた1974年のケン・ローズウォール(Ken Rosewall)氏に次ぐ年長記録でベスト4に入ったフェデラーは、優勝候補筆頭に躍り出ている。

 むだを取り除いたスケジュールから最大限の成功を収めているフェデラーにとって、ウィンブルドンは今季わずか7大会目で、ナダルが優勝した全仏オープンテニス(French Open 2017)は2年連続で出場を見送っていた。