【7月13日 AFP】米ニューヨーク(New York)は12日、大量のネズミ駆除のための新たな取り組みに、3200万ドル(約36億円)を投じると発表した。新たな取り組みには、ネズミが侵入できないごみ箱の導入や、ごみに関する規制の強化などが含まれているという。

 米国の金融・文化の中心地ニューヨークに暮らす人びとにとって、地下鉄の線路や路上に投棄されたごみ袋の回りを日々走り回るネズミたちは日常生活の脅威となっており、同市における最も不快な一面にもなっている。

 1842年にニューヨークを訪れた英作家チャールズ・ディケンズ(Charles Dickens)もネズミへの不満を漏らしていたというが、現代でもそれはあまり変わっておらず、昨年、衛生当局に寄せられたネズミに関する苦情は3万1362件に上ったという。

 新たな駆除の取り組みが実施されるのはマンハッタン(Manhattan)地区のチャイナタウン(Chinatown)、イーストビレッジ(East Village)、ロウアー・イーストサイド(Lower East Side)、ブロンクス(Bronx)地区のグランドコンコース(Grand Concourse)周辺、ブッシュウィック(Bushwick)地区、ブルックリン(Brooklyn)地区のベッドフォード・スタイベサント(Bedford-Stuyvesant)。既存の駆除計画と平行して行われ、ネズミのエサを奪うことで対象地域のネズミの70%を駆除することを目指しているという。

 予算は、ネズミを侵入させないごみ箱の設置をはじめ、公営住宅地階の土床のコンクリートへの変更、ごみ収集の増加、大規模ビルにおける収集直前のごみ出しを徹底させることなどに使われる。

 また、民間事業者によるごみの不法投棄に対する罰金も1500ドル(約17万円)から5000ドル(約57万円)に引き上げられ、複数違反の罰金は最大2万ドル(約230万円)に引き上げられる。(c)AFP