【7月12日 AFP】スウェーデンの研究者らが二酸化炭素(CO2)の排出量を削減するために個人でできる4つの方法を明らかにする一方で、これらの方法が公的に奨励されることはめったにないと指摘した論文が11日、発表された。

 英学術誌「エンバイロメンタル・リサーチ・レターズ(Environmental Research Letters)」に掲載された論文は、地球温暖化の主要因であるCO2排出を削減できる最も効果的な方法を周知する「機会が失われている」と述べている。

 論文の主執筆者でスウェーデン・ルンド大学(Lund University)のセス・ウェインズ(Seth Wynes)氏は、「私たちは個人による二酸化炭素排出量を大幅に削減し得る4つの方法を突き止めた。それは、野菜中心の食事、飛行機に乗らないこと、車なしの生活をすること、そして少人数の家族で暮らすことだ」と主張。

「例えば、CO2の年間削減量は車のない生活で約2.4トン、野菜中心の食事で0.8トンに相当する」として、さらに空の旅を避ければ、1回につき約1.6トン相当が削減できると話す。

 だが最も効果的なのは、自分が持つ子どもの数を1人減らすこと。これにより、年間平均58.6トンのCO2排出量が削減されると同論文は述べている。

 研究チームが以上の4つの方法を割り出す上で分析に使用したのは、個人のライフスタイルの選択によって温室効果ガス排出量がどれだけ削減できるかを算出した39本の査読論文とCO2計算ツール、政府の報告書などだ。

 研究チームがカナダの教科書や米国、オーストラリア、欧州、カナダの政府広報などを調査したところ、CO2排出量を削減するために奨励されているのは「排出削減の可能性がごくわずかな漸進的な変化」に重点を置いた方法で、例えば政府が通常勧めているのは、電球の交換や包括的なリサイクルだった。同研究チームによれば、これらの方法は野菜中心の食生活に比べて効果は4分の1から8分の1だという。

 ウェインズ氏は、個人の選択が気候に与える影響に作用する要素は数多く存在するが、今回の調査によって、その中でも特に大きな違いをもたらす行為を特定することができたとしている。(c)AFP/Kerry SHERIDAN