【7月10日 AFP】(更新)服役中に末期がんの診断を受けた後に仮釈放された中国の民主活動家で、ノーベル平和賞(Nobel Peace Prize)受賞者の劉暁波(Liu Xiaobo)氏(61)が10日、危篤状態に陥った。劉氏の治療に当たっている病院が明らかにした。同氏の腫瘍は肥大しており、肝臓からは出血もみられるという。

 劉氏が入院する瀋陽(Liaoning)市内の中国医科大学付属第一病院(China Medical University No 1 Hospital)は声明を発表し、必要があれば集中治療に移行するため、医師らが同氏の家族に準備を進めると伝えたとしている。

 劉氏をめぐっては、治療のため海外へ移送すべきとの国際的な批判が中国政府に寄せられていたものの、中国の医療チームは同氏の病状が深刻で、国外への移送に耐えられないと主張していた。

 しかし劉氏の治療のために中国に招かれ、8日に劉氏を訪ねた米国とドイツの専門医らは、同氏の国外への移送はまだ可能であるとの見解を示していた。

 劉氏の治療をめぐって、複数の人権団体は、同氏が今年5月に末期の肝臓がんと診断され、健康上の理由から仮釈放されるまで、中国政府が対応を怠ったと非難している。(c)AFP