6月19日、訪日台湾旅行者をターゲットに、スマホデータ通信を無料提供出来る日本の観光情報アプリ「i-Sim開心(kaixin)」がリリースされた。

 台湾の通信大手、中華電信股份有限公司(Chunghwa Telecom Co., Ltd)と香港のMVNOサービスGreen-I SIM Motion株式会社、株式会社東方インターナショナルが協業し、開発された。台湾の中華電信ユーザーは、1200万人にも上る。

 このアプリの特徴はまず、台湾の中華電信ユーザーであれば誰でも使用でき、訪日台湾旅行者にスマホのデータ通信を無料で提供出来ることだ。

 そして利用者はアプリ内の広告をクリックするのみで無料でデータの利用分を増やすことができるのだ。日本へ出発前に広告をクリックしておけば、SIMカードの交換をしなくても、日本ですぐスマホデータが使用できる仕組みになっており、最大1.5GBのデータを使用できる。

 6月8日、台湾で「i-Sim開心」の記者発表会が行われた。発表会に参加した第9回立法委員の陳雪生(Chen Xuesheng)氏は「Green-i SIMは、台湾観光業界の活性化に大きく貢献できる」と話した。この日の発表会は、多くの台湾・香港のメディアに取り上げられており、話題になっている。

 過熱する海外旅行への人気に伴い、訪日台湾人旅行者数は年々成長を続けて、2016年には416万人に達した。親日家が多いことで知られる台湾は、中国に次いで世界で2番目に日本観光が盛んな地域である。台湾は日本の最西端である与那国島から約100キロの場所に位置しており、日本に最も近い地域のひとつ。格安航空会社(LCC)が使えることもあり、気軽に訪日する観光客が多いと言われている。

「i-Sim開心」は、日本国内で観光ガイドブックとして使うことができる。例えば、免税店や百貨店、ホテル、レストランなどの情報がリアルタイムで知ることが出来る。旅行者に絞ったサービスだからこそ、広告もそのターゲットユーザーにとって有用なものが多く表示される。広告を出す側にとっても、出した広告をクリックしてもらえる確率が高くなり、観光客誘致にも効果が期待できる。(c)東方新報