【7月9日 AFP】ラグビーニュージーランド代表のスティーブ・ハンセン(Steve Hansen)ヘッドコーチ(HC)は9日、主審の誤った判定により、オールブラックス(All Blacks、ニュージーランド代表の愛称)はブリティッシュ&アイリッシュライオンズ(British and Irish Lions、英国とアイルランドの選抜チーム)とのシリーズ最終戦で勝利するチャンスをふいにしたと語り、ルールの簡素化を求めた。

 ノーサイド直前、ロマン・ポワト(Romain Poite)主審はゴールポスト近くでキックが可能なペナルティーの判定をオールブラックス側に与えたが、その後スクラムを組むよう判定を変えた。

 これについて試合直後は議論に加わらなかったハンセンHCだったが、一夜明け、ポワト主審は間違いを犯したと語り、ワールドラグビー(World Rugby)の上層部次第でより余裕を持って試合をコントロールできるようになると主張した。

 ハンセンHCは「人的ミスはいつでも起こりえる、誰であろうと関係ない。しかし、われわれがすべきことは彼らを支援することであり、批判することではない。これはワールドラグビーの仕事だ。彼らがラグビー界を先導し、動かしている。内部の人間とともに審判を助けていかなければ。そうすれば、彼らが試合を裁くのもより楽に、よりシンプルになる。ラグビーは本当に込み入ったスポーツだ」と語った。

 15-15で迎えた試合終盤、ライオンズのリアム・ウィリアムズ(Liam Williams)が触れたボールが前にこぼれて、オフサイドポジションにいたチームメートのケン・オーウェンズ(Ken Owens)に当たった。こぼれたボールを拾ったオールブラックスのアントン・リエナートブラウン(Anton Lienert-Brown)はトライラインに突進していたが、ポワト主審はこのプレーをオフサイドと判定し、ペナルティーを与えた。

 しかし、リプレー映像の検証と3人の審判との協議の末、ポワト主審はオーウェンズが偶発的に違反を起こしたとし、ペナルティーからスクラムに判定を変更していた。

 ハンセンHCはこれについて「彼らはただ、時間をかけて考えすぎた」と述べた。

「彼がその本能を信じ、そのまま進めていれば正しい判定だった。もし、偶発的だと感じていれば、プレーは続行となり、リエナートブラウンはポストの間に飛び込んで、われわれはこういった話をすることもなかっただろう」

「だが彼はそうせずに考えすぎることにとらわれ、ミスを犯してしまった」

 しかしながらハンセンHCは、数あったチャンスを決めていればオールブラックスは勝利を収めていただろうと認めている。(c)AFP