【7月10日 CNS】(訂正)中国から台湾へ贈られたパンダ「団団(Tuan Tuan)」の子ども「圓仔(Yuan Zai)」が6日、4歳の誕生日を迎え、台北(Taipei)市立動物園では、誕生日パーティーが開かれた。半月前から準備していたという。

 当日は動物園の開園前から長い行列ができており、たくさんの人が「圓仔」の誕生祝いに駆けつけた。新北(Xinbei)市から駆けつけた中学3年生の陳妹(Chen Mei)さんは午前6時に起きて、2人のクラスメートと1時間以上バスに揺られてきた。「私たちは圓仔のファン。よくネットで写真や映像を見ています。今日は誕生会に来られてとてもうれしい!」と楽しそう。

 午前9時ごろ、飼育員らが約50センチの高さの2層の特製バースデーケーキを担いでパンダ館の室内運動場に入ってきた。材料は竹の葉の汁を冷凍したものの上にパイナップル、ぶどうやニンジンで型どった花やハートが飾られている。ケーキのてっぺんにはパイナップルで作った数字の「4」があり、その周りにはサトウキビとニンジンの「キャンドル」が4本。

 準備が整うと、飼育員はパンダの舎門を開いた。ゆっくりと、主役の圓仔が登場。現場に居合わせたファンは思わず、「圓仔、お誕生日おめでとう」と連呼、カメラのシャッターを切る音が相次いだ。

 圓仔は落ち着き払って、ケーキの手前まで来て匂いを嗅いだりなめてみたり、舌を伸ばしまた立ち上がってケーキの上層を見つめたり。来場客が期待していた、夢中でケーキを食べる姿は見られなかった。圓仔は特製ケーキにあまり関心を払わず、やがて運動場で散歩をし始め、時には小走りになり、なんとも愛らしい姿がファンの笑いを誘っていた。

 圓仔は今、悩み事があってイライラしていると動物園パビリオンの館長は語る。「思春期の圓仔は今『偽妊娠』の状態。眠気や食欲低下が見られ、周囲は心配している」。圓仔の心身の状況を考慮して、動物園側はパーティーの開催時間を予定していた午前11時から9時15分に前倒して開催した。「ケーキに鼻を近づけて匂いを嗅いでくれただけで、私たちは満足しているよ!」と笑った。

 野生の雌のパンダは約6歳で性成熟するが、飼育されているパンダは栄養が豊富なため、野生の場合よりも2~3年早く性成熟を迎える。圓仔は昨年から発情の徴候が見られたが、今年はホルモンのレベルが安定し成熟段階に入っている。昔のやんちゃなかわいい「小さな女の子」が「青春少女」に変身した。

 多くの人が関心を持っている圓仔の「お見合い」だが、今年に入ってから圓仔は2度目の発情があり、初めて排卵した。これからの2年間、発情の状態がより安定した後、どのパンダと繁殖させるかを検討する。この事は遺伝子から多様性などを総合的に考慮して、圓仔のために良縁を探していく。台北市立動物園飼育チームの計画としては、四川(Sichuan)省のパンダ保護研究センターに今年中に行って、専門家と交流や研究を行う予定だ。

 中国より台湾に贈られたパンダ「団団」と「圓圓(Yuan Yuan)」2008年に到着してから、台湾の市民に愛されてきた。同動物園の統計によると、パンダ館は毎日平均5000~8000人の観光客が訪れ、祝日や休日は1万人を超えるという。2013年に生まれた圓仔は、特に人気だという。(c)CNS/JCM/AFPBB News