【7月7日 AFP】イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」が「首都」と位置づけるシリア北部ラッカ(Raqa)の奪還作戦で、市内への突入開始から1か月で少なくとも民間人224人が米主導の有志連合による空爆で死亡したと、在英NGO「シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)」が6日、明らかにした。有志連合側は、「批評家」による「詳細な評価」が行われていないと反論している。

 クルド人とアラブ人の合同部隊「シリア民主軍(SDF)」は6月6日、米主導の有志連合による空爆に支援され、数か月にわたって包囲してきたラッカの市内に突入した。

 監視団によると「SDFの突入以降、有志連合の空爆で、子ども38人、女性28人を含む少なくとも224人の民間人が死亡した」という。その他の軍事作戦や地雷による死者や、ラッカを脱出しようとした際に殺害された人など、空爆以外の原因で死亡した人数は把握できていないという。

 ラッカ市内には数万人の民間人が取り残されているとみられ、ISが「人間の盾」として利用する恐れがある。ラッカから脱出してきた住民たちは、市外へ出ようとする人々をISの狙撃兵が銃撃していると証言している。

 監視団はまた、先月6日からの1か月間でIS戦闘員311人が死亡し、SDFにも106人の犠牲が出たとしている。

 有志連合軍の報道官を務めるライアン・ディロン(Ryan Dillon)大佐は、監視団が発表した数字について反論した上で、有志連合側が独自に作成した民間人死者数の月例報告書を7日に発表すると述べた。(c)AFP