【7月6日 AFP】エジプトやサウジアラビアなどカタールと断交した4か国は5日、エジプトの首都カイロ(Cairo)で外相会談を開いた。国交回復の条件として突きつけたイランとの関係縮小などの要求に対して、カタールが「否定的な」返答しかしていないと非難。関係を断絶した状態を今後も続けていくと言明し、追加制裁に踏み切る考えも示唆した。

 カタールは外交危機を解決するために「対話」を求めている。米国のドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領もエジプトのアブデルファタハ・シシ(Abdel Fattah al-Sisi)大統領に電話し、全当事国に対して「建設的な話し合い」を行うよう要請した。

 断交した国々はカタールに対して、イスラム組織「ムスリム同胞団(Muslim Brotherhood)」への支援打ち切りや、カタールを拠点とする衛星テレビ局「アルジャジーラ(Al-Jazeera)」の閉鎖など13項目を要求。しかし、会談を行ったエジプトとサウジアラビア、バーレーン、アラブ首長国連邦(UAE)の外相は声明で「カタールの否定的な返答を遺憾に思う」と述べている。

 エジプトのサメフ・シュクリ(Sameh Shoukry)外相はカイロでの記者会見で、カタールの返答について「中身がない」「事態の重大さを理解していないことが表れている」などと批判。サウジアラビアのアデル・ジュベイル(Adel al-Jubeir)外相は「関係断絶を維持する」と明言した。

 4か国は新たな制裁は打ち出さなかったものの、ジュベイル外相は「しかるべき時期に措置を講じる」意向を表明した。

 UAEのアンワル・ガルガーシュ(Anwar Gargash)外務担当国務相も、カタールの孤立が深まるとの見通しを示した。(c)AFP