【7月5日 AFP】ボクシングで8階級制覇を遂げたマニー・パッキャオ(Manny Pacquiao)が5日、世界ボクシング機構(WBO)に対し、ジェフ・ホーン(Jeff Horn、オーストラリア)に敗れた2日のWBOウエルター級タイトルマッチの「不公平な判定と審判」についての調査を求めた。

 パッキャオはオーストラリア・ブリスベン(Brisbane)で行われた一戦の結果について、WBOに調査を求めるフィリピンの競技娯楽委員会(GAB)の公式要求を支持した。

 母国で上院議員を務める38歳のパッキャオは自身の事務所が発表した声明の中で、「私はボクシングを愛しており、ボクシングが不公平な判定と審判によって終わりを迎えるところは見たくない。すでに判定については受け入れているが、指導者、それと同時にファイターとして、公衆の視点からスポーツマンシップや真実、公平さを守る道徳的責任が私にはある」と述べている。

 22年のキャリアの終わりが迫る中、当初はホーンとの再戦を求めていたパッキャオだったが、その後は現役引退について「真剣に考える」意向を示している。

 試合の翌日にスポーツ規制当局であるGABはWBOに対し、米国人レフェリーのマーク・ネルソン(Mark Nelson)氏とジャッジの判定について「徹底的な見直し」を行うよう求めていた。

 GABは「ボクシングの健全性を保護するという双方の目標を促進するため、われわれは調査を請求する。仮に正当な理由があれば、レフェリーとジャッジに対する制裁措置を求める」と声明を発表していた。

 一方のWBOは4日、ツイッター(Twitter)でこの論争に対し、「不正や違反行為以外でレフェリーやジャッジの裁量を無効にすることはできない。パック(パッキャオ)対ホーン戦にこれは当てはまらない」とし、「パック対ホーン戦の契約には再戦条項が規定されており、仮にプロモーターが試合を行うのであれば、WBOは従う」と応じている。

 パッキャオは結果については尊重するとしたものの、ネルソン氏が下した判断については疑問を呈し、さらにホーンを見下すようなコメントを残している。

「彼はそれほどの選手じゃないが、とても強かった。ジェフ・ホーンのプレースタイルが汚くても問題ない。なぜなら、レフェリーが立ち会っているからだ。問題なのは、意図的なのか経験が浅いのか分からないが、レフェリーがホーンにそれを許し、何度やっても警告しなかったことだ。あのレフェリーは、まるで俺の対戦相手に味方することを望んでいたかのようだった」 (c)AFP