■米国の対北朝鮮政策は失敗

 トランプ大統領は中国に圧力をかけつつ、韓国の文在寅(ムン・ジェイン、Moon Jae-In)大統領と協力する道についても探り、先週はホワイトハウス(White House)に同大統領を招いて会談した。その一方で金委員長に対しては「なかなかの切れ者(pretty smart cookie)」と評し、ミサイル開発をやめるなら会ってもいいと述べ、会談できれば「光栄だ」と持ち上げてみせたことすらある。

 だが、アメリカ進歩センター(Center for American Progress)で核・防衛政策問題を研究しているアダム・マウント(Adam Mount)氏は、「一線を越えないように圧力をかけるのはもはや論理的ではない。すでに一線が越えられつつあるからだ。もはや非核化(という主張は)は維持できない」と主張する。

「米国の政策は失敗に終わった。われわれにとって現時点で考えられる最良の展開は、時間をかけて持続可能な形で北朝鮮政権を抑制し、封じ込め、改革させていくことだ」

 短期的には、米国防総省は軍事行動を起こす選択肢も検討している。米国と韓国は5日、前日の北朝鮮によるICBM発射実験に対する示威行動として、合同の軍事演習を行って韓国沖にミサイルを発射した。