【7月5日 AFP】西アフリカ・ガンビアの学生たちが、米国で開かれるロボット競技大会に参加しようとしたところ、ビザの申請を却下されたことが分かった。学生たちが4日、AFPに明らかにした。女性だけで構成されるアフガニスタンのチームも同様に申請を却下されていた。

 ビザの申請を却下されたのは10代の学生5人で構成されるガンビアのチーム。今月、米首都ワシントン(Washington D.C.)で開催されるロボットの国際競技大会「ファースト・グローバル・チャレンジ(FIRST Global Challenge)」に世界約160か国のチームと共に参加する予定だった。

 ガンビアチームのメンバー、ファトゥマタ・セーサイ(Fatoumata Ceesay)さん(17)は「米国で自分たちが作ったロボットを披露することができなければ、悲しくなる」と述べ、イスラム教の断食月「ラマダン(Ramadan)」の期間、チームは1日6~7時間をロボットの製作に充ててきたと訴えた。

 この大会は、世界各国の学校で工学やテクノロジーに対する関心と自信を高めることを目的としている。専門家によると、アフリカでは有能なエンジニアが非常に不足しているという。

 チームの指導者は、1人当たり170ドル(1万9200円)の費用がかかるビザの申請を再度行うと約束しているが、セーサイさんは「ロボットを発送し、スカイプ(Skype)で大会を見守る羽目になるかもしれない」と語っている。

 米経済誌フォーブス(Forbes)が先週報じたところによると、アフガニスタン西部ヘラート(Herat)州の女性チームも、1週間の滞在ビザを取得するために2度の面接を受けたにもかかわらず申請が却下され、大会に参加できない恐れがあるという。

 ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は就任以来、ビザ取得の厳格化を進めており、イスラム教徒が多数派を占めるガンビアやアフガニスタンの学生もそうした影響を受け、ロボット大会への出場が危ぶまれる事態となっている。 (c)AFP