【7月4日 AFP】国際自動車連盟(FIA)は3日、F1第8戦のアゼルバイジャンGP(Azerbaijan Grand Prix 2017)で、フェラーリ(Ferrari)のセバスチャン・ベッテル(Sebastian Vettel)がメルセデスAMG(Mercedes AMG)のルイス・ハミルトン(Lewis Hamilton)に衝突した問題について、故意による行為であったと結論づける一方で、追加制裁は行わないとする裁定を下した。

 先月25日に行われたアゼルバイジャン・バクー(Baku)での決勝レースで、ドイツ出身のベッテルが駆るフェラーリのマシンは、19周目にハミルトンのマシン後部に高速で追突していた。

 この日フランス・パリ(Paris)の本部において、世界王者のタイトルを通算4度獲得しているベッテルとフェラーリのマウリツィオ・アリバベーネ(Maurizio Arrivabene)代表と面談を行ったFIAは、同選手が事故の全責任を認めるとともに全面的に謝罪したことを受け、追加制裁の必要はないと判断した。

 FIAのジャン・トッド(Jean Todt)会長は、「トップレベルのスポーツは、怒りが爆発するような厳しい環境にある。しかしながら、こうした重圧を冷静に受け止めるのが、トップのスポーツ選手に課された役割だ」と語った。

 ベッテルはレース中に10秒のストップ・アンド・ゴーペナルティーが科され、ペナルティーポイントが3ポイントが加算され合計9ポイントとなった。次戦のオーストリアGP(Austrian Grand Prix 2017)で何らかの問題を起こした場合は、ペナルティーポイントが12か月間の上限となる12ポイントに達するため、1レースの出場停止処分が下される可能性がある。

 大混乱のレースとなったアゼルバイジャンGPでは、レッドブル(Red Bull)のダニエル・リカルド(Daniel Ricciardo)が優勝。ベッテルが4位でフィニッシュしたのに対し、トップを走行していたハミルトンは、ヘッドレストのトラブルで予定外のピットインを余儀なくされるなどして5位に終わった。

 3日に30歳の誕生日を迎えたベッテルは、今季残り12レースとなっている現時点でドライバーズ選手権総合争いの首位に立っており、同2位のハミルトンに14ポイント差をつけてオーストリアGPに臨む。(c)AFP