【7月3日 AFP】2015年に汚職スキャンダルにより国際サッカー連盟(FIFA)会長の座を追われたジョセフ・ゼップ・ブラッター(Joseph Sepp Blatter)氏が2日、早いタイミングで辞任しなかったことに後悔の念をにじませた。

 欧州サッカー連盟(UEFA)のミシェル・プラティニ(Michel Platini)前会長への200万スイスフラン(約2億2600万円)の不正な支払いにより倫理規定違反で処分を受けた81歳のブラッター氏は、17年間務めたFIFA会長の職を失った。

 スイス紙ゾンタークスブリック(SonntagsBlick)のインタビューで「もっと早く自分から退くべきだった」と話したブラッター氏は、一方でFIFA会長から失脚して「安心した」とコメントしている。

 2015年5月に5期目の再選を果たし、その直後に辞意を表明したブラッター氏は、あるスイス誌の編集長から自身がFIFA会長の役割をすでに終えていると警告を受けていたと明かしている。

「彼は私に『あなたの地位の賞味期限は2014年だ』と言った。なので私は彼に、製品に記されている賞味期限は、その期限を超えても消費することができることもある。涼しい場所に保管されていればね、と言ったんだ」

 独週刊誌シュピーゲル(Der Spiegel)は、FIFAのジャンニ・インファンティーノ(Gianni Infantino)現会長が倫理委員会の調査で失職することを恐れていると報じている。

 FIFAは昨年、インファンティーノ会長のプライベートジェットの使用や経費の使途、雇用方針、給与問題などに関する調査を行い、違反はなかったと結論づけた。

 また、インファンティーノ会長はアフリカサッカー連盟(CAF)の会長戦への関与で調査されていると報じられていたが、FIFAは先月、同会長への調査は行われていないと明かした。

 現会長の疑惑についてブラッター氏は、「そのことについては知らない。私が知っているのは、彼の案件に取り組んでいた以前の仲間が、その数週間後にFIFAから追い出されたということだけだ」と話している。

 FIFAは5月の総会で、倫理委員会のトップだったハンスヨアヒム・エカート(Hans-Joachim Eckert)氏とコーネル・ボルベリー(Cornel Borbely)氏の後任を発表しており、ボルベリー氏はこの決定は汚職との戦いを後退させるものだとして批判している。

 また、ブラッター氏はコンフェデレーションズカップ(Confederations Cup 2017)で導入されたビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)について、「試合の魅力が失われている。審判はミスを犯すものとしてそのままにすべきだ。FIFAがやっていることはさじ加減が難しく、危険なことだ」と否定的な立場を示した。(c)AFP