■「奇跡の薬」なのか?

 しかし、業界は活況を呈しているとはいえ、大麻は連邦レベルではいまだに非合法なままで、州レベルの大麻法はペットたちには適用されない。つまり、獣医師が大麻を処方することはできないため、ペット用の大麻を入手したければ、飼い主自らが許可証を入手する必要があるのだ。

 この法律のグレーゾーンに加えて、ペット用大麻の影響に関しては、研究が十分行われていないため、投与量についてはかなりの注意が必要となってくる。

 病気で苦しむペットに、痛み止めや従来の薬ではなく大麻の投与を支持する人々は、適切な使用下では大麻に重大な副作用が起きていないことをその主な理由として挙げる。

 それでも、獣医師らは大麻を「奇跡の薬」とみなす向きに警鐘を鳴らす。

 カリフォルニア獣医師会(California Veterinary Medical Association)のケン・パブロフスキー(Ken Pawlowski)会長は「犬や猫に対する研究さえないのだから、ましてやモルモットなどの他の動物の研究などない。だからたとえ何か潜在的なメリットがあったとしてもそれが何なのか私には分からない」と語る。

 同氏はまた、大麻を投与されたペットは気持ち良さそうにしているかもしれないが、それは病気が治ったことを意味するわけではないとも述べた。

 しかしハルトマンさんのような飼い主らの心は決まっている。

「われわれには非常に多くの成功事例がある」と、大麻コンサルタントとして働くハルトマンさんは言う。「私はてんかんの治療のために医療大麻を使うまで、ずっと反対派だったし、支持もしていなかった。でも、大麻は私の体を治すのに役立ったのだから、うちの犬たちに使うのも理にかなっているはずだ」 (c)AFP/Jocelyne ZABLIT