【7月2日 AFP】(更新)ボクシング、WBOウエルター級タイトルマッチが2日、オーストラリア・ブリスベン(Brisbane)のサンコープ・スタジアム(Suncorp Stadium)で行われ、王者マニー・パッキャオ(Manny Pacquiao)は判定の末0-3(111-117、113-115、113-115)で挑戦者のジェフ・ホーン(Jeff Horn、オーストラリア)に敗れ、王座陥落となった。

 ほとんどの評論家からチャンスはないとみられていたものの、29歳のホルンの非常に積極的なスタイルはパッキャオには十分だった。

 38歳のパッキャオは元8階級王者で、世代間では最高のボクサーと目されており、陣営は「短く、甘美」な勝利を予想していた。

 しかし、元教諭のホーンはこのチャンスに気圧されることなく、第1ラウンドのゴングからパッキャオに立ち向かっていき、容赦なく前に進み出ると、相手にリズムをつかむための時間を許さなかった。

 パッキャオは序盤に何度か左ジャブを打ち込みポイントを稼いだが、ホーンは下がることなく、中盤はけんか戦法が奏功した。

 偶然に頭と頭がぶつかったことで頭部からかなり出血したパッキャオは第9ラウンドにカウンターを決めてホーンを手こずらせたが、第10ラウンドはホーンが主導権を再び奪い返した。

 残り2ラウンドは両者ともに疲れがみえはじめたものの、ホーンは序盤のリードで逃げ切り、キャリア最大の白星を飾った。

 試合直後にホーンは、パッキャオが再戦をもくろんでいたフロイド・メイウェザー・ジュニア(Floyd Mayweather Jr.、米国)との試合を求める声を上げている。

 パッキャオよりも身長が9センチ高いホーンは、「彼が間合いを取れないようだと感じた。フェイントを多く入れて、リズムを崩させようとした。それが試合全体を通じて利いていたと思う。コンビネーションを繰り出すときは素早かったが、間合いをコントロールすることで、パンチを見極めることが楽にできた。サイズの違いも助けになった」と振り返った。

 一方のパッキャオは頭部の傷を治療する必要があるとして、試合後にメディア対応は行っていない。(c)AFP