■ラマダン用ファッションへの需要

 世界中のムスリムが服と靴に費やす金額は2019年までに5000億ドル(約55兆9600億円)に達すると「エスモード ドバイ校(ESMOD Dubai)」のファッションマーケティング部部長、タマラ・ホスタル(Tamara Hostal)さんは語る。ラマダンは、ファッションブランドが5月から6月にかけて地域限定のカプセルコレクションを発表する、中東における事実上のマイクロ・シーズンとなっている。

DKNY」が中東限定のラマダンラインを2014年にローンチして以来、「ドルチェ&ガッバーナ」や「CH キャロリーナ ヘレラ(CH Carolina Herrera)」、「マイケル・コース」、「トミー ヒルフィガー(TOMMY HILFIGER)」、「ザラ(ZARA)」、「マンゴ(Mango)」、「ユニクロ(UNIQLO)」「ナイキ(NIKE)」など数あるブランドが後に続いた。

「ドルチェ&ガッバーナ」は、ラマダン用ファッションが商業的かつ文化的な複合的現象となっているドバイ全土で、アバヤやローブ、ヘッドスカーフのヒジャブ(hijab)を扱うラインの2016年度のキャンペーン広告を行った。

 インスタグラムは「#ootd(outfit of the day、今日のコーデ)」のハッシュタグをつけた投稿であふれ、アラビア版「ヴォーグ(Vogue Arabia)」の記事は祝祭の装いや通常の慎み深い盛装などをどうやって手に入れるかの情報でいっぱいだ。