【6月23日 AFP】米国務省外交保安局(Bureau of Diplomatic Security)の元特別捜査官が22日、米国の防衛に関わる秘密情報を中国に売り渡したとして逮捕・起訴された。

 司法省の発表によると、米バージニア(Virginia)州リースバーグ(Leesburg)のケビン・マロリー(Kevin Mallory)被告(60)は今年3月から4月にかけて中国・上海(Shanghai)に旅行した際、中国の情報機関員に機密文書を売り渡したとされる。

 問題となっている文書の出所や内容は明らかにされていないが「防衛情報」とされており、マロリー被告はこの対価として2万5000ドル(約280万円)を受け取った。

 マロリー被告は米陸軍を経て米外交官や訪米した外国要人の警護、国務省職員のセキュリティー関連事件の捜査などを担当する国務省外交保安局の特別捜査官になり、退官後はさまざまな政府機関から仕事を請け負っていた。

 標準中国語を流ちょうに話せるマロリー被告は2012年まで、中国、台湾、イラク、米首都ワシントン(Washington D.C.)で「極秘情報」を閲覧できる立場にあった。米紙ワシントン・ポスト(Washington Post)は同被告が中央情報局(CIA)に勤務していたと報じている。

 起訴状によると、マロリー被告は今年2月、ソーシャルメディアを通じて中国側の「リクルーター」と連絡を取り、翌月からの上海への旅行と中国の情報機関員との面会を手配させたという。

 マロリー被告は外国政府への防衛情報引き渡しと連邦捜査局(FBI)捜査官に対する虚偽の陳述の罪が問われており、有罪になれば終身刑を言い渡される可能性がある。(c)AFP