【6月30日 東方新報】所かまわずフラッシュをたいて写真撮影。「金は払うから良い席に座らせろ」と主張したり、どこでもたばこをポイ捨てしたり。ブランド品や香水を買いあさる姿に、思わず眉をひそめたくなるような観光客。これはすべて30年ほど前の日本人旅行客のことだ。 

 かつての日本政府が躍起になって日本人旅行客を教育したように、中国政府もマナー改善に力を入れている。2016年8月には、「中国公民文明旅遊公約(中国人旅行客マナー公約)」の改訂版が発表された。内容は一般から募集し、投稿されたものの中から優れた作品が選ばれた。旅行中の様々な場面でのマナーが、親しみやすく簡潔に凝縮されている。

 この5~6年の間に、中国人観光客のマナーは徐々に向上しつつある。そもそも行儀の悪い中国人はごく少数で、マナーの良い中国人は人に迷惑をかけないように旅行しているため目立たない。最近では個人旅行客も増え、純粋に日本の文化を楽しみに来ている旅行客は、きちんと日本のマナーを勉強して来ているし、リピーターも多い。

 ほんの一部のマナーを守らない中国人旅行客による悪いイメージを払拭(ふっしょく)するために、華僑の人たちや留学生らが、SNSなどで自主的に注意喚起を行っているのを目にする機会も多くなってきた。今後、中国人旅行客全体のマナーがさらに向上することを期待したい。(c)東方新報/AFPBB News