【6月22日 AFP】バルト海(Baltic Sea)上空で21日、ロシアのセルゲイ・ショイグ(Sergei Shoigu)国防相の搭乗機に北大西洋条約機構(NATO)軍機1機が接近していたことが分かった。ロシアのメディアが報じた。同様の接近はこの3日間で3回目。

 ショイグ国防相はこの日、ロシアの軍事施設が集中するバルト海沿岸の飛び地、カリーニングラード(Kaliningrad)に空路で向かい、同地の国防閣僚との会合に出席するところだった。

 インタファクス(Interfax)通信が報じている同行記者らの話によると、NATO軍の戦闘機が同相の搭乗機への接近を試みたが、ロシア側の護衛機スホイ27(SU-27)が阻止。両翼を振って武装していることを示して警告すると、NATO軍機は飛び去ったという。

 ロシア国営テレビは、このときの様子を捉えた国防省の映像を放送し、NATO軍機が接近してきたのは公海上だったと報じた。

 AFPに送られてきたNATO報道官の声明によると、NATO軍と加盟国の空軍は先週、「バルト海上空を飛行する異常な数のロシア軍機」を確認して以来、同空域を飛行する機体を監視することを決定した。

 NATO側は、今回ロシア軍機に接近したのは航空機の所属を確認するという「通例の手順」に従ったまでで、離れるまでは「常に安全な距離を維持」していたと主張している。

 スウェーデンはロシアのスホイ戦闘機が19日にバルト海上空で自国の偵察機に異常接近したことを受け、21日にロシア大使を召喚した。さらに米軍も、同じく19日にバルト海の国際空域でロシア軍の戦闘機が米軍側の偵察機に異常接近し、「危険な」進路妨害(インターセプト)を行ったと発表している。(c)AFP