【6月18日 AFP】中東カタールの政府高官は16日、サウジアラビアなど周辺国による制裁の「包囲網」を非難し、その影響は「ベルリンの壁(Berlin Wall)」よりも壊滅的だと述べた。

 カタールをめぐっては、サウジアラビア、バーレーン、アラブ首長国連邦(UAE)、エジプトの4か国は今月初め、カタールは複数の過激派グループを支援しており、シーア派(Shiite)国家のイランに政治接近していると非難し、カタールとの断交を宣言した。カタールはこうした主張を否定しているが、その後も周辺の数か国が新たにカタールとの断交を発表した。

 スイスのジュネーブ(Geneva)で記者会見したカタール国家人権委員会のアリ・ビン・スマイフ・マッリー(Ali bin Smaikh al-Marri)委員長は、周辺国による制裁は集団的処罰の域に達していると批判。母親と赤ちゃんが引き離された例を挙げ、複数の周辺国がカタールと断交を決定したことで全中東市民の権利が踏みにじられていると訴えた。

 サウジアラビアをはじめとする周辺国は制裁の一環として、自国内に滞在するカタール人に対し14日以内の国外退去を求めるとともに、カタール在住の自国民に対しても帰国命令を出している。(c)AFP