【6月16日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)米政権は15日、バラク・オバマ(Barack Obama)前政権時代に進められていた、米国生まれの子どもを持つ数百万人の不法移民の滞在を認める移民政策を撤回すると発表した。

 撤回が発表されたのは、オバマ前大統領が2014年に発表した移民政策「DAPA」。米国籍や合法的な滞在資格がある子どもを持つ不法移民の強制送還を免除する政策で、「ドリーマー(夢見る人)」と呼ばれる子どもの家族が強制送還に脅えることなく一緒に暮らせるようにすることが狙いだった。

 しかし、この政策に反対する26州がオバマ政権を提訴し、テキサス(Texas)州の連邦地方裁判所が差し止めを命じていた。この問題は最高裁まで持ち込まれたが、欠員が出ていたこともあって判事の意見が4対4の同数となり、下級審の判断が維持されている状態だった。そのためDAPAは一度も履行されていない。

 DAPAの対象となる、2010年以前に米国で生まれた子供を持つ移民は最大400万人に上るとの推計もある。

 しかし国土安全保障省は、司法省の同意も得てDAPAの撤回を発表。同省のジョン・ケリー(John Kelly)長官は、今回の撤回に際し「現在差し止められている政策を法廷で争うための信頼できる道筋はない」と述べた。(c)AFP