【7月23日 AFP】一針一針、時間をかけて丹念に――。ひどく神経質な人や落ち着きのない人には、世界最高級のタペストリーの修復は向いていないかもしれない。

 大聖堂の壁を美しく飾り、名のある美術館にも収蔵されているタペストリーが、ここベルギーのメッヘレン(Mechelen)にある王立デ・ウィットタペストリー工房(Royal Manufacturers De Wit)で1年以上かけて修復される。

 中世に修道士の住居として使用されていた美しい建物の中で、白衣を着た女性15人の修復師が作業に当たり、1つの作品だけで何千針も刺していく。

 仏パリ(Paris)のルーブル美術館(Louvre Museum)や米ニューヨーク(New York)のメトロポリタン美術館(Metropolitan Museum of Art)、ロシア・サンクトペテルブルク(Saint Petersburg)のエルミタージュ美術館(Hermitage Museum)などからも、綿やシルク、金や銀の糸を使った最高品質のタペストリーの修復の依頼を受ける。

 この工房が設立されたのは1889年。修復するタペストリーの価値では世界最大規模となっている。(c)AFP/Alix RIJCKAERT